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侘茶(わびちゃ)

不足・不満のなかに安心をみいだそうとする茶の精神。「侘」とは本来心細いこと,辛いことをさす言葉だが,中世隠遁者の間にそうした環境に安住して,質朴自然のなかに生きることを理想とする精神がうまれた。茶道もこの精神をとりいれ,武野紹鴎(じょうおう)は「慎み深く,驕(おご)らぬ様」といい,千利休は名物道具など一つももたず,修行の深い覚悟,茶の工夫をすることが侘だと説く。利休の侘茶の大成とは,それまでなかった草庵の小間の茶を工夫・創案したことをいう。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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