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渡辺崋山(わたなべかざん)

生没 1793.9.16~1841.10.11 江戸後期の三河国田原藩家老・南画家・蘭学者。名は定静(さだやす)。字は子安。通称登(のぼる)。崋山は号。田原藩士渡辺定通の子。江戸生れ。家計を助けるため画を学び,谷文晁(ぶんちょう)にみいだされて入門。沈南蘋(しんなんぴん)の影響をうけた花鳥画を描いたが,30歳頃から西洋画に心酔,西洋画の陰影表現と描線を主とした伝統的な表現を調和させ,独自の肖像画の様式を確立。「鷹見泉石像」(国宝)「市河米庵像」(重文)などを描き,洋画への傾倒や藩の海岸掛に任じられたことから蘭学研究に入り,小関三英(こせきさんえい)・高野長英(ちょうえい)らと交流しながら海外事情など新知識を摂取。これが幕府儒官林述斎(じゅつさい)とその一門の反感をかい,捕らえられて在所蟄居を命じられ(蛮社の獄),2年後自刃。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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