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早稲・中稲・晩稲(わせ・なかて・おくて)

稲の生育する熟期の長短に応じて分類した品種。近世には稲の品種を稲種・苗草・稲毛などとよび,農民の経験にもとづく優良種籾(たねもみ)の選抜によって品種改良が著しく進展,人名・地名・寺社名をつけた多くの品種が登場した。早稲・中稲・晩稲という品種分化は,数種類の種籾を組み合わせて災害の危険分散をはかったり,水田に早稲の後作として麦・菜種などを栽培したり,農作業のピーク時を緩和したりするなど,多方面にわたる技術改善に寄与した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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