和漢三才図会(わかんさんさいずえ)
江戸中期の図解百科事典。105巻。大坂の医師寺島良安(りょうあん)編。1712年(正徳2)の自序がある。原漢文。明の王圻(おうき)編「三才図会」にならい,天上・地上・人事の三才を網羅する。巻14の外夷人物のように「三才図会」の記述にほとんど拠っている巻もあるが,和漢の書を渉猟し,みずからの意見・解釈をも表明している。ただし武士にかかわることは多くが省略されており,出版前後の幕府権力への慎重な対応も指摘される。項目ごとに異名・和名を併記し,唐音も表示するなど,図解以外にも利用上の種々の便宜がはかられている。「東洋文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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