倭(わ)

中国で称された日本の古名。「山海経(せんがいきょう)」にはじめてみえ,「漢書」地理志,「魏志」東夷伝から「旧唐書(くとうじょ)」東夷伝までの正史にも例外なく記録される。朝鮮でも,石上(いそのかみ)神宮七支刀,広開土王碑(好太王碑)をはじめ,「三国史記」もすべてこの称を踏襲している。わが国でも,ヤマトという国名と日本の総名(国号)の双方に,この字をあてて用いたが,7世紀末から8世紀にかけて,国名は大倭(やまと)→大養徳(やまと)→大和に,総名は日本に改めた。しかし中国・朝鮮では,後世も倭寇(わこう)・倭乱のように用いることがあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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