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大和国(やまとのくに)

倭国・大倭国とも。畿内の国。現在の奈良県。「延喜式」の等級は大国。「和名抄」では添上(そうのかみ)・添下・平群(へぐり)・広瀬・葛上(かずらきのかみ)・葛下・忍海(おしのみ)・宇智・吉野・宇陀・城上(しきのかみ)・城下・十市(とおち)・山辺・高市(たけち)の15郡からなる。国府は葛上郡,高市郡と移り,平安中期以降は平群郡(現,大和郡山市),国分寺は東大寺(現,奈良市),国分尼寺は法華寺(現,奈良市)におかれた。一宮は大神(おおみわ)神社(現,桜井市)。「延喜式」の調は銭のほか,箕と鍋などの土器。ヤマト王権の所在地として古くから開け,694年(持統8)には藤原京,710年(和銅3)には平城京がおかれた。平安時代以降,奈良は南都とよばれ,南都七大寺や春日大社などの社寺の町として栄えた。鎌倉・室町時代は興福寺の勢力が強く,守護職を掌握した。戦国期には松永・筒井・越智氏らが割拠。江戸時代は小大名領・幕領・寺社領があった。1868年(明治元)奈良府や藩・県が成立。71年の廃藩置県ののち奈良県が成立。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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