山城国(やましろのくに)
山代国・山背国とも。畿内の国。現在の京都府南東部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では乙訓(おとくに)・葛野(かどの)・愛宕(おたぎ)・紀伊・宇治・久世(くぜ)・綴喜(つづき)・相楽(さがらか)の8郡からなる。国府は相楽郡,葛野郡,乙訓郡の長岡京,同郡河陽(かや)宮と移った。国分寺・国分尼寺は相楽郡(現,木津川市)におかれた。一宮は賀茂別雷(かもわけいかずち)神社(上賀茂神社。現,京都市北区),賀茂御祖(かもみおや)神社(下鴨神社。現,京都市左京区)。「和名抄」所載田数は8961町余。「延喜式」では調は銭のほか広席(むしろ)・狭席・折薦(おりこも)など。740~744年(天平12~16)に恭仁京,784年(延暦3)長岡京が営まれ,794年平安京がおかれ,以後明治期まで政治・経済・文化の中心であった。鎌倉幕府は京都に六波羅探題をおき,足利氏は室町に幕府を開いた。豊臣秀吉は伏見城を築いた。江戸幕府は京都所司代を設置,淀藩もおかれた。1868年(明治元)京都裁判所は京都府と改称。71年淀藩も京都府に合併した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう