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山片蟠桃(やまがたばんとう)

生没 1748~1821.2.28 江戸後期の町人学者。通称升屋小右衛門,字は子蘭。播磨国生れ。13歳で大坂の升屋別家をつぎ,のち升屋本家の番頭となる。仙台藩の財政立直しに手腕を発揮し名声を博した。学問を好み,懐徳堂の中井竹山(ちくざん)・同履軒(りけん)に師事し,諸葛孔明の異名をとる。また麻田剛立(ごうりゅう)に天文学を学び,広く西洋近代科学の知識を吸収した。著書「夢の代(ゆめのしろ)」は広範な知の集大成で,その中の経済論は「大知弁」として松平定信に献上された。懐徳堂朱子学を知的枠組みとする蟠桃は,その合理的認識を徹底させ,「鬼神はない」と断言する積極的無鬼論を展開し,また西洋新知識を受容する基盤を作った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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