尾形光琳(こうりん)がデザインした蒔絵の代表作。「伊勢物語」第9段,業平(なりひら)東下りの三河国八橋の場面を,金の平蒔絵に鉛板・螺鈿を交えて描く。物語絵によくある説明的な要素はいっさいなく,主題の本質を鋭く追求する文様構成と,装飾材料と大胆な用法が目をひく。光琳蒔絵の特質がはっきりと示された名品。縦27.3cm,横19.7cm,高さ14.2cm。東京国立博物館蔵。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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