安永田遺跡(やすながたいせき)
佐賀県鳥栖(とす)市柚比(ゆび)町にある弥生時代の集落遺跡。1979年(昭和54)の確認調査により九州ではじめて銅鐸鋳型が出土。翌年度から鋳型出土地一帯で発掘が行われ,銅鐸鋳型は3軒の住居跡と土坑から合計5片が出土。鋳型はいずれも黒変し,ともに出土した土器から中期末頃のものと判明。製品は高さ20cm前後の外縁付鈕(ちゅう)式で,複合鋸歯(きょし)文や綾杉文による文様構成をもち,横帯文銅鐸との強い近縁関係を示す。遺跡からは銅鐸鋳造工房跡とみられる遺構のほか,鞴(ふいご)の羽口状土製品,中広形銅矛鋳型,銅矛鋳型未成品なども出土し,県東部の青銅器鋳造センターであったことが知られる。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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