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読本(よみほん)

近世小説の一様式。通例,上方を中心とする前期読本と,江戸を中心とする後期読本にわける。後期の読本のうち江戸で出版されたものを,とくに江戸読本ということもある。浮世草子の衰退期に構成・表現・文体などに中国白話小説の影響をうけて成立。1749年(寛延2)刊行の都賀庭鐘作「英(はなぶさ)草紙」にはじまる。前期の傑作に76年(安永5)刊行の上田秋成作「雨月物語」がある。1799年(寛政11)刊行の山東京伝作「忠臣水滸伝」の成功は,この分野への出版書肆の積極的参入をもたらし,江戸で読本という分野があらためて成立する。曲亭馬琴作「南総里見八犬伝」は江戸読本の代表作。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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