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吉川神道(よしかわしんとう)

江戸前期に吉川惟足(これたり)が提唱した神道。惟足ははじめ唯一神道に学び秘伝を伝授されたが,儒教や山崎闇斎の影響をうけて独自の神道説を唱えた。教義の内容は,国常立(くにのとこたち)尊を万物創造の神と位置づけ,心の中に神を内在させる人神合一を理想とするもので,神社における神道を行法神道と批判し,道徳・政治に関与する理学神道を主張。儒教道徳にもとづく皇室を中心とする君臣関係を強調した神籬磐境(ひもろぎいわさか)の秘伝も説いた。これらの根底には「日本書紀」や「中臣祓(なかとみのはらえ)」の研究があり,以後の国学や神道説の発展に影響を与えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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