湯起請(ゆぎしょう)
おもに中世に行われた,宣誓をともなう神判の一形態。主張の真偽を判断しがたい場合や,犯人の特定が困難な場合に,神仏に判断を仰ぐもの。それぞれの主張を起請文に記し,偽りのないことを神仏に誓ってから,煮えたぎる熱湯の中に手を入れ石をとりだし,かたわらの棚にのせる。これができなかったり,手に火傷をおった場合は湯起請失(しつ)とされ,有罪,あるいは主張が偽りであると判定された。形式は古代の盟神探湯(くかたち)に連なる。中世後期には焼けた鉄棒を用いる火起請(鉄火(てっか))も行われた。近代にも,鍛冶屋の祭神に宣誓するなどの神判を伝える地方があった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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