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右筆(ゆうひつ)

筆を執ること。公家の家政機関では院司・家司が奉書を作成し,能書は尊重されても,右筆をおくことはなかった。文筆にたけた者の少ない鎌倉では,主人の意をうけて文書・書状を作成する右筆は重宝がられ,北条氏や有力御家人の被官にも右筆が現れた。引付(ひきつけ)に右筆の職がおかれ,幕府の奉行人が任じられた。室町幕府では,引付に配属された奉行人を総称して右筆方奉行人と称した。戦国期以降も右筆は重用され,政務にかかわる者も現れた。江戸幕府では役職として設置され,当初は室町幕府の書札礼(しょさつれい)式などの知識や経験をもつ者が登用された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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