由比正雪(ゆいしょうせつ)
生没 1605?~51.7.26 由井とも。江戸初期の軍学者。慶安事件の首謀者。駿河国生れ。江戸にでてみずから楠木正成の子孫などと称して軍学を講じ,旗本や大名家中・牢人らを弟子とした。1651年(慶安4)7月23日,江戸で密告者があり,一味の丸橋忠弥の逮捕に端を発した幕府の取調べの結果,駿河国久能山など全国各所で騒動をおこし幕府転覆を企てる一味の首領とされた。同月26日,旅宿中の駿府において幕府の捕手(とりて)に包囲され自殺(慶安事件)。牢人救済が目的とされるが,事件を企てた真意や背後関係については不明の部分が多い。後世,実録本・浄瑠璃・歌舞伎などの登場人物として広く知られるようになり,さまざまな逸話が付加された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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