アンリ4世(アンリよんせい)
Henri ・ 1553~1610(在位1589~1610) フランス国王。ブルボン朝初代の王。プロテスタントの闘将としてユグノー戦争を戦い,1562年,母のあとを継いでナヴァル王に即位。72年彼の婚礼に際して企てられたサン・バルテルミの虐殺に遭遇したが,改宗して難を避け,76年脱走し,再びプロテスタントの陣営に復帰。89年ヴァロワ朝最後の王アンリ3世の死によりフランス王位を継承,ねばり強く巧みな行動によりリーグ派とスペイン軍を破り,93年カトリックに再改宗し人心を収め,98年までに内乱を終結に導いた。同年ナントの王令により宗教的和平を図り,混乱した国内治安の回復,弱体化した王権の再興に努め,シュリの補佐を得て疲弊した国庫の再建,農業・商工業の振興,カナダ植民地の建設など国力の回復に努力した。1610年対スペイン,神聖ローマ帝国戦争の準備を始めたことを機にカトリック教徒の反感が再燃,一狂信聖職者により暗殺された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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