アンダルス
al-Andalus アラビア語でイベリア半島を示す地名。しばしば,イスラーム支配下のイベリア半島をさすものとして用いられる。711年にイスラーム勢力に征服されたのち,10世紀には後ウマイヤ朝のもとで首都コルドバの繁栄がみられた。しかし,11~13世紀にはイベリア半島北方のキリスト教徒によるレコンキスタによってスペイン南部に縮小し,北アフリカから進出したベルベル人系王朝との抗争が続き,1492年のグラナダ陥落でイスラーム政権は消滅した。アンダルスは,イスラーム政権のもとにありながら,ほぼ全時代を通じてイスラーム教徒,キリスト教徒,ユダヤ教徒の三宗教の信徒が居住し,そこでは共存と衝突のさまざまな側面がみられた。また,イスラーム世界で発達した自然科学,哲学などを西ヨーロッパに伝える窓口の役割も果たした。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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