アルメニア
Armenia 南カフカース,トルコ,イランにまたがる地域。前13世紀にウラルトゥの前身ナイリが,前9世紀にウラルトゥが興り,前6世紀にはアケメネス朝のアルメニア州を構成した。ヘレニズム期にはアルタシャト朝が地中海,黒海,カスピ海に至る大国家を形成したが,この領域を歴史的アルメニアと呼ぶ。ティグリス,ユーフラテスなどの河川の源流にあたり,最高地点は大アララト山(標高5205m)である。パルティアの分家アルシャク朝をへて,アラブ征服後,9世紀にはアルメニア系バグラト朝,アルツルニ朝が興り,11世紀にはトルコ系サルトゥク朝,12世紀にはトルコ系シャフアルメン朝,クルド系アイユーブ朝,またグルジア王の家臣ザカリヤン家領などが成立した。オスマン帝国,サファヴィー朝,ロシア,ソ連などの支配をへて,現在はこの地域の一部にアルメニア共和国が存在する。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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