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アルバニア

バルカン半島の南西部に位置する共和国。首都はティラナ。アルバニア人はバルカンの先住民イリリア人の子孫と考えられる。6世紀後半,南スラヴ族のバルカン進出に伴い,山岳地に追われて現在の地域に定住。ビザンツ帝国,ブルガリア帝国,中世セルビア王国の支配を受け,みずからの国家を築けなかった。15世紀前半にオスマン帝国の支配下に置かれたが,スカンデルベグがオスマン軍に果敢に抵抗。スカンデルベグは近現代に至ると,民族の英雄としてアルバニア民族主義の基礎にすえられた。19世紀後半,アルバニア人居住地はオスマン帝国の行政上,4州に区分されていただけでなく,北部のゲグ族と南部のトスク族とに分断されていたが,ようやく民族運動が進展。1878年に南部の豪族アブドゥル・フラシャリの呼びかけでプリズレン連盟が結成され,アルバニア人居住地域の統一と自治が初めて掲げられた。1912年,第1次バルカン戦争のさなかにアルバニアの独立が宣言され,翌年5月に国際的に承認された。20年に「再独立」を認められ,28年にはゾグを国王とする立憲君主国となった。第二次世界大戦後,ホジャのもとで硬直したスターリン主義の社会主義国となり,67年から「無宗教国家」となった。78年からは「鎖国政策」の道を選択。89年の東欧革命の影響が及ぶのはおそく,92年に体制転換が完了したが,不安定な政情が続いた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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