アリストテレス
Aristoteles[ギリシア],Aristotle[英] 前384~前322 プラトンと並ぶギリシアの大哲学者。その学識は経済,政治,歴史,倫理,心理,論理,美学,生物学に及ぶ比類なき大学者でもある。アカデメイアに20年ほど留まった彼は,師プラトンの影響を強く受けて対話形式の著作を書いたが,やがて,個々のものを超越したイデアの立場にあきたらぬようになった。代表作『形而上学』では,イデアはエイドスという名で普遍的なものとしてとらえられ,個物に内在せしめられる。だが彼の体系の頂点には全宇宙を超越した神が据えられ,形而上学=神学となって,プラトン的色彩を残している。なお,彼には弟子たちを動員しての,158編にのぼる諸ポリスの国制研究があり,幸いにも,そのうち最も重要な『アテネ人の国制』が今日に残されて,『政治学』とともにギリシア史研究の貴重な史料をなしている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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