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アリーガル運動(アリーガルうんどう)

Aligarh Movement 1870年代から20世紀初頭まで,北インドを中心にサイイド・アフマド・ハーンとその弟子たちが推進した,インドのムスリムの文化運動。アリーガルはデリーの南東にある都市の名。西欧教育の普及とイスラームの合理的解釈とを通じて,インドのムスリム社会を近代化させ,再生させることをめざした。ウルドゥー語の普及にも力を入れた。政治活動を行うことは避けたが,植民地政府支持の立場をはっきり打ち出し,政府の保護のもとに官職などへのムスリムの進出を図ろうとした。運動の始まりは,1875年,アフマド・ハーンがアリーガルにムハマダン・アングロ・オリエンタル・カレッジを創立したときに求められる。このカレッジは1920年に,アリーガル・ムスリム大学に昇格し,現在でもインド・ムスリムの高等教育機関として大きな役割を果たしている。86年には,全インド・ムハマダン教育会議が開かれ,アフマド・ハーンが死ぬ98年までが,この運動の最盛期だった。初めは北インドの上層ムスリムの運動だったが,教育の普及とともに他の階層にも浸透した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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