1. 用語
  2. 世界史 -あ-
  3. アラビア半島(アラビアはんとう)

アラビア半島(アラビアはんとう)

アジア大陸南西端の大半島。政治的にはサウジアラビア王国,イエメン,オマーン,クウェート,バハレーン,カタル,アラブ首長国連邦の7カ国からなる。海岸に沿って山脈が走り,特にイエメンは最高4000mに達する高原である。内陸の南北に,ルブ・アル・ハーリーとナフードの大砂漠があり,両者の中間がナジュド台地である。雨量は非常に少なく,イエメン以外は農業に適しない。前8世紀頃以降,イエメン,ハドラマウトに一連の古代南アラビア王国が栄えたが,4世紀頃にはその文明も滅亡し,6世紀以降繁栄の中心はメッカに移った。ムハンマドのヒジュラにより,一時メディナが政治の中心となったが,アリーのクーファへの遷都と,メッカの僭称(せんしょう)カリフ,アブドゥッラー(624~692)の没落により,アラビア半島は完全にイスラーム世界の一辺境となった。その後,ウマイヤ朝,アッバース朝,ファーティマ朝,オスマン帝国の支配を受けたが,ヒジャーズやイエメンには地方的政権が存続し,1926年,サウジアラビア王国が正式にアラビア半島の大部分を支配することになった。この地域が国際政局のなかで注目されるようになったのは,石油資源の発見以後である。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう