アフリカ系アメリカ人(アフリカけいアメリカじん)
African Americans 大半が奴隷としてアメリカに連れてこられたアフリカ黒人の子孫で,2000年国勢調査では人口の12.3%を占める(3470万人,同調査でヒスパニックスが12.5%で黒人を抜いてマイノリティの首位になった)。呼称はいまだ黒人(ブラック)が一般的。1865年の奴隷制廃止以降も差別を受け続けたが,1950年代後半からの公民権運動の成果が実り,64年公民権法と65年投票権法でほぼ完全な法的な平等を獲得し,アファーマティブ・アクションなどで中産階級が生まれた。政治力では連邦・地方議員,州知事,大都市の市長などめざましい躍進をみせたほか,スポーツ,芸能界でも白人をしのぐ活躍がある一方,いまだ所得水準は低く,99年の貧困率は全米平均の2倍である。家族の半数強が未婚女性の世帯で,多くがシングルマザーなので,家族所得が伸びない。あからさまな差別はないとはいえ,黒人に対する人種偏見はいまだ根強い。国家に対して奴隷制への謝罪と補償を求める運動は注目すべきである。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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