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アフガニスタン

南アジア,中央アジア,西アジアの接点に位置する山岳地域。前5~前4世紀にアケメネス朝に属したが,アレクサンドロス大王の遠征後ヘレニズム文化が伝わり,バクトリア王国が成立した。クシャーン朝の治下にはガンダーラ美術が栄えた。ついでサーサーン朝の支配を受けたのち,アラブ・イスラーム軍に征服された。10世紀後半トルコ系のガズナ朝が最初の土着イスラーム国家を建て,しばしば北インドに侵入した。その後セルジューク朝,イル・ハン国,ティムール帝国,サファヴィー朝の支配を受けた。18世紀前半にはナーディル・シャー治下のイランとムガル帝国との争いの場となったが,両者の弱体化に乗じて1747年,パシュトゥーン人のアフマド・シャーがカンダハールで即位し,ドゥッラーニー朝を建てた。これがアフガン国家の始まりである。19世紀には英露の勢力争い(グレート・ゲーム)の場となり,2度のアフガン戦争の結果,アフガニスタンはイギリスの保護国となった。1919年に即位したアマーヌッラーは同年のうちに独立を回復させ,近代化政策をとったが,成果は表面的に終わった。第二次世界大戦後はアメリカとソ連の援助競争のもと経済開発が行われたが,やがて政情不安となり,40年間王位にあったザーヒル・シャーは73年にいとこのダーウドにより退位させられた。78年以降戦乱(アフガン紛争)が続いていたが,2001年に和平プロセスが開始された。多民族国家で,主要言語はダリー語(ペルシア語の一種)とパシュトゥー語。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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