アナトリア
Anatolia 小アジアともいう。トルコ名はアナドル(Anadolu)。黒海,マルマラ海,エーゲ海,地中海に挟まれた半島。現在トルコ共和国領。前16世紀頃アーリヤ系のヒッタイト王国が成立し,メソポタミア,シリアの一部を領有したが前13世紀頃衰え,それに乗じて西部アナトリアにフリュギア王国が建てられ,前7世紀にリュディア王国に征服された。前6世紀アケメネス朝がギリシア植民地のある沿海地域を除く全域を占領し,その後アレクサンドロス大王の領土となった。大王の死後,カッパドキア,ポントス,ペルガモンなどの小独立国が各地に割拠したが,その後,ローマはパルティアと戦いつつ経略を続け,前2世紀後半にこれら諸国を併合した。後3世紀イランに興ったサーサーン朝は西進してローマ,ビザンツ帝国と戦った。7世紀にイスラームが興ると,アラブの圧力を受けたが,11世紀後半まで,その全域はビザンツ帝国に保有され続けていた。その後ルーム・セルジューク朝,オスマン帝国によって,アナトリアはトルコ化,イスラーム化し,第一次世界大戦後トルコ共和国の成立をみた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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