アジャンター
古代インドの仏教遺跡。インド西部のマハーラーシュトラにあり,タプティー川の支流に臨む玄武岩丘陵の中腹を掘ってつくった30の石窟。北インドと南インドを結ぶ交通路の近くに位置したところから,前2世紀頃,チャイティヤと僧院がつくられはじめた。数世紀中断したのち,5世紀以後大乗仏教の信徒が再び開掘し,ストゥーパの前面に仏像を据え,僧院に奥室を設けて仏像を置くという新しい形式でつくった。僧院の壁面に描かれた絵画は有名で,本生話(ほんしょうわ)や仏伝を主題とし,6~7世紀の作である。その画風は中央アジア,中国をへてわが国に伝わった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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