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アシエント

asiento 元来はスペイン王室が個人や団体,会社などに与えた商業的独占権をさす。ラテンアメリカでは,飲料,タバコ,食料,鉱産物などのアシエントが成立したが,なかでも収益性の高い奴隷貿易のアシエントが重要視された。最初の奴隷輸入のアシエントは1528年スペイン国王と関係のあった二人のドイツ人に与えられたが,その後王室が直接に奴隷供給を行うことになった。アシエント制は1580年に復活したが,スペイン継承戦争の期間(1701~13年)フランスの王立ギネア会社に与えられ,さらに1713年ユトレヒト条約でイギリスの南海会社に与えられた。これに伴って起こった密輸問題がジェンキンズの耳戦争を誘発した。50年以後スペイン王室は再び直接奴隷貿易を支配しようとしたが成功せず,73年奴隷貿易自由化を認めた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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