アウグスティヌス
Aurelius Augustinus 354~430 古代キリスト教最大の教父,神学者。北アフリカのヌミディアの生まれ。父は異教徒の市参事会議員(クリアレス),母は篤信なキリスト教徒モニカ。カルタゴに遊学,抜群の成績を収めたが,愛欲に悩み,身分の低い女と結婚,またマニ教と懐疑論に傾いた。384年ミラノに修辞学教師として赴任,新プラトン派哲学とアンブロシウスの説教の感化のもとに,386年キリスト教に回心した。アフリカに帰り,396年ヒッポの司教となり,マニ教,ドナトゥス派,ペラギウス主義との論争をとおしてカトリック教会の恩寵,礼典,教会概念などの確立に努め,中世以後の神学および政治思想の指標となった。ヴァンダル族がヒッポ攻囲中に病死した。著書は『神の国』『三位一体論』『告白録』『自由意志論』『ソリロキア(独白)』ほか多数。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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