アイルランド自治問題(アイルランドじちもんだい)
Irish Home Rule 19世紀後半から20世紀にかけて,アイルランドで展開した自治権獲得運動とそれへのイギリス政府の対応をめぐる問題。1870年アイルランド議会の設置と自治権を要求するアイルランド自治協会がつくられ,しだいに勢力を拡張して,自由・保守両党に対してアイルランド国民党が議会においてキャスティング・ボートを握るに至った。その支持を得て政権を組織したグラッドストンは86年自治法案を提出したが,自由党の一部が自由統一党を結成して反対したため,否決された。93年の第2次法案は,下院は通過したものの貴族院の反対で成立しなかった。第3次のそれは1914年成立したが,大戦の勃発によって実施は延期され,20年のアイルランド統治法により南北に分かれた自治が実現されることになった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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