張騫(ちょうけん)
Zhang Qian ?~前114 漢代に使者として西域を旅行した人。前139年頃武帝の命を受けて,匈奴(きょうど)を攻撃するため大月氏(だいげつし)と同盟しようとして長安を出発したが,匈奴に捕えられた。十余年間勾留されたのち脱出し,アム川北岸の大月氏の領地に到達した。しかし,大月氏に匈奴を討つ意志がなかったので帰途につき,途中また匈奴に捕えられたが,前126年帰国した。その後前121年烏孫(うそん)に派遣され,その従者が西域諸国の使者を伴って帰った。彼の旅行はその目的は果たせなかったが,西域地方の地理,民族,物産などに関する知識を中国にもたらし,漢の西域経営,東西文化の交流,東西交易の発展に大きな役割を果たした。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう