フランス,第五共和政(フランス,だいごきょうわせい)
1958年5月のアルジェリア蜂起に直面して誕生した政体。ド・ゴールの政権復帰と執行権を強化した憲法をもたらす。62年3月に,アルジェリア問題を解決して植民地を放棄したフランスは,英米とは距離を置き,仏独枢軸による高度経済成長を実現するが,ド・ゴール大統領の独裁的な政治手法(62年10月に大統領公選制を導入)や管理社会の閉塞感が五月革命を惹起した。69年にポンピドゥーがド・ゴール政治を継承し,74年から非ド・ゴール派のジスカールデスタンが,アメリカとも協調するリベラルな政治を行うが,不況を克服できず,81年に社会党のミッテラン大統領,現在のド・ゴール派のシラク大統領と続く。第五共和政は,左右の政権交代が可能な生命力ある政体であることを証明。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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