フランス〔国名〕(フランス)
France 前7~前6世紀ケルト人が移住し,ローマ人はこの地域をガリアと呼んだ。ガリアはローマの属州となったが,5世紀にはフランクが侵入してフランク王国を建設し,メロヴィング朝とカロリング朝が支配した。カール大帝の時代にカロリング朝は全ヨーロッパにわたる大帝国を現出したが,その分裂後フランスは西フランク王国の中心となり,しだいに民族性を形成し,カペー朝になるとフランスと呼ばれた。同王朝下に封建社会が完成し,国土は分裂したが,諸王はパリを首都にして諸侯を従え,ヴァロワ朝になると百年戦争をへて国内のイングランド領を奪回し,領主制の衰退に伴って王権の発展をみた。16世紀宗教戦争をへてブルボン朝が成立し,17世紀には絶対主義の全盛時代を迎え,ヨーロッパの国際政治・文化に指導的役割を果たした。18世紀末にはフランス革命が起こり,封建的諸制度を一掃し,フランスの近代社会が成立した。ナポレオンは革命の業績をつぎ,第一帝政を樹立し,大陸諸国を征服した。その没落後ブルボン朝の王政復古,オルレアン朝の七月王政が続いたが,それぞれ七月革命,二月革命によって倒された。この両王朝のもとに経済的に発展し,両革命はヨーロッパに大きな影響を与えた。第二共和政の大統領としてルイ・ナポレオンが現れ,第二帝政を樹立し,この時期に産業革命は完成した。プロイセン‐フランス戦争ののち第三共和政が約70年続いたが,その間第一次・第二次世界大戦をへ,第四共和政,第五共和政が成立し現在に至っている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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