パン・イスラーム主義(パン・イスラームしゅぎ)
キリスト教国の帝国主義的侵略にさらされたイスラーム諸国の間で19世紀後半,大同団結して侵略に対抗しようと生まれた思想。提唱者はアフガーニー。エジプト人ムハンマド・アブドゥフは,原始イスラームの教義によってこの思想の神学的定義づけを行った。結局,この思想は復古的なユートピア思想に堕し,反動化してエジプトでは民族独立運動から離れ,トルコでは反動的改革と弾圧政策に,またドイツ帝国主義の3B政策に利用された。この思想の政治的部分はパン・アラブ主義として大きく発展していった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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