パリ条約(パリじょうやく)
・〔1763〕イギリス,フランス,スペインの間で結ばれた植民地七年戦争(フランスおよびインディアンとの戦争)終結の条約。(1)イギリスはフランスからカナダとミシシッピ川以東のルイジアナを,スペインからフロリダを得,スペインは代わりにフランスからミシシッピ川以西のルイジアナを獲得。(2)インドでは,フランスは若干の商業都市を除き全植民地を放棄。・〔1783〕イギリス,アメリカ間で結ばれたアメリカ独立戦争の講和条約。イギリスはアメリカの独立を認め,これにミシシッピ川以東の地を与えた。・〔1814〕ナポレオン戦争の終結に伴い,同盟国とフランスとの間で結ばれた条約。フランスは1792年時点の国境を保有,イギリスはセイロン,ケープ植民地,マルタ島を得,またウィーン会議の開催を決定。・〔1815〕ナポレオンの百日天下ののちに結ばれた同盟国とフランスとの第2次条約。フランスの国境を1790年時点のものに縮小し,フランスに賠償を課した。・〔1856〕クリミア戦争を終結させロシアの南進を阻止した条約。(1)トルコの独立と領土の保全。(2)トルコは宗教的差別をしないこと。トルコに対する内政不干渉。(3)ダーダネルス,ボスフォラス両海峡閉鎖の原則の確認。黒海の中立化。(4)ドナウ川の自由航行。(5)ロシアはベッサラビアをモルドヴァに譲渡。モルドヴァ,ワラキア両州はトルコの主権下に自治。セルビアの自治権の確認。・〔1898〕アメリカ‐スペイン戦争を終結させた条約。キューバの独立,フィリピンのアメリカへの譲渡を決定。・〔1947〕第二次世界大戦後に連合国とイタリア,ルーマニア,ハンガリー,ブルガリア,フィンランドとの間で結ばれた講和条約。敗戦諸国は軍備の制限と賠償を課せられ領土を割譲した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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