バグダード
イラク共和国の首都。ティグリス川にまたがり,アッバース朝第2代カリフのマンスールが,ティグリス川西岸に円城都市「平安の都」を築いたのがその起源。まもなく町の中心は東岸に移ったが,サーマッラー遷都時代(836~892年)を除き,バグダードはアッバース朝の首都として繁栄した。イル・ハン国,ティムール帝国,サファヴィー朝,オスマン帝国の支配時代には一地方都市となり,17世紀に衰退をきわめた。しかし18世紀中頃から回復に向かい,1921年,イラク王国の誕生とともに首都となり,68年バース党のクーデタ後は,サッダーム・フセイン大統領の指導下に,80~88年のイラン‐イラク戦争と91年の湾岸戦争を体験。アメリカなどの経済封鎖によって恒常的な疲弊状態におかれた。2003年アメリカなどの対イラク攻撃によりバグダードは再び戦火にみまわれた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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