ペロン
1895~1974 アルゼンチンの軍人,大統領(在任1946~55,73~74)。陸軍学校卒。イタリア留学時ファシズムに接し,影響を受ける。帰国後,国家社会主義を標榜する軍内の秘密結社,統一将校団に加わる。1943年クーデタに参加し,陸軍次官となる。翌年労相,陸相,副大統領を兼務,労働者擁護に努め人気を得た。45年クーデタで失脚するが,46年大統領選に勝利した。民族主義にもとづき工業開発,主要産業の国有化,自主外交,労働者擁護立法などの社会改革を推進し,47年ペロニスタ党を創設した。しかし経済政策が破綻し,教会と対立して,55年クーデタで失脚,亡命した。その後,長期軍政が続いたが,73年,ペロン帰国の声が高まるなかで大統領選に勝利した。しかし74年病死し,夫人で副大統領のイサベルが大統領に昇格した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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