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ベルリン問題(ベルリンもんだい)

ベルリンは1960年代初頭まで米ソ間で最も先鋭的な対立の場であり,まさに冷戦の象徴であった。2度のベルリン危機(1948~49年,58~62年)では東西の軍事的緊張が高まり,一触即発の事態が展開した。だが,61年8月東ドイツが構築した「ベルリンの壁」は自国民の流出を事実上不可能にしたことで,逆説的ながら,東西関係の安定化に貢献した。米ソ「デタント」を背景にしたベルリン四大国協定(71年)は西側の西ベルリンへのアクセスを認め,ベルリンをめぐる緊張は一層緩和した。89年の「ベルリンの壁」の崩壊と翌年のドイツ統一は,ベルリンの統一とベルリンに対する旧連合国の権利・責任の最終的解消のみならず,冷戦とベルリン問題の終焉を意味した。91年,統一ドイツはベルリンへの首都の移転を決定した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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