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ベルギー

Belgie[オランダ],Belgium[英],Belgique[フランス] 国名はローマの征服以前にこの地に住んでいたベルガエ族に由来。ゲルマン,ラテン両民族の接点に位置し,ヨーロッパの中軸という地理的条件からしばしば列強の争奪戦の舞台となった。中世においては多くの伯領,公領があったが,フランデレンに毛織物工業が栄え,ブリュッヘのような国際商業都市が現れた。14世紀末以降,ブルゴーニュ家とそのあとをついでハプスブルク家が相続,婚姻などを通じて統合を図り,16世紀にカール5世のときにハプスブルク家の主権のもとに属することになった。その支配に対して北部の7州はオランダ独立戦争に立ち上がり,1648年独立を達成したが,カトリックの強かった南部の諸州はスペイン,その後はオーストリアのもとに留まった。18世紀末,フランス革命の影響もあって独立の機運が高まったが,1815年ウィーン会議の結果オランダに併合された。1830年ベルギーとして独立,翌年独立が国際的に認められ,立憲君主国となり,ヨーロッパ有数の工業国の地位を占めるようになった。20世紀には2度の世界大戦においてドイツの侵入を受けた。戦後ヨーロッパ統合の中心的役割を果たしたが,国内においてはフラマン語地域とワロン語地域間での言語戦争が続いたため,1993年から連邦制がとられた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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