ヒラーファト運動(ヒラーファトうんどう)
Khilafat Movement カリフ制を守るためのインド・ムスリムの運動。ヒラーファトとは,カリフ制,カリフの地位の意味。第一次世界大戦が終わると,敗戦国のオスマン帝国は危機に陥った。オスマン帝国はスルタン・カリフ制をとっていたから,インド・ムスリムはこれをカリフ制の危機と捉え,カリフ制を擁護し,イギリスの対トルコ政策に抗議する運動を開始した。1919年には,全インド・ヒラーファト会議,中央ヒラーファト委員会をはじめとするたくさんの組織が生まれ,アリー兄弟,アーザードなどが指導者として活躍した。ガンディーは国民会議派を率いてこの運動に積極的に参加。インドのムスリムとヒンドゥーが統一して,非協力,ボイコットなどの戦術を使った運動を展開した。セーヴル条約でオスマン帝国の解体が決まり,トルコ革命が起こると,運動は退潮した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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