百年戦争(ひゃくねんせんそう)
Hundred Years' War 中世末期の英仏間の断続的戦争(1339~1453年)。原因はフランス内のイングランド領をめぐる紛争,羊毛工業地帯フランデレンにおける対立に加えて,1328年フランスでカペー朝が絶え,ヴァロワ朝のフィリップ6世が継いだのに対し,イングランド王エドワード3世は,母がカペー家出身であることを口実に王位継承権を主張して開戦した。戦争初期はエドワード黒太子の活躍もあって,イングランドの長弓隊がクレシーの戦い,ポワティエの戦いでフランス騎士軍を破り,ブレティニーの和(1360年)で領土を拡大。中期はフランスが一時戦勢を回復したが内紛が生じ,アザンクールの戦いで大敗し,末期にはフランス王シャルル7世はオルレアンに包囲され,絶望的状態に陥った。この危機を救ったのがジャンヌ・ダルクで,彼女がオルレアンを解放(1429年)後に戦局は一変した。彼女の死後もフランス軍が優勢で,結局イングランドはカレー市を保つのみで,大陸から追い払われて戦争は終わった。戦争の結果,フランスの封建貴族は大打撃を受け,以後国王による中央集権が進んだ。イングランドでも戦後まもなくばら戦争が起こり封建貴族が自滅,大陸領土を失い,かえって国内に専念できるようになり,国王による統一が進んだ。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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