人間に本性として具わっている悟り。迷いの世界である不覚(ふかく)や初めて悟ったという始覚(しかく)の次元を超えた,絶対真理の境地が現象界に本来的に実現していると説く後期大乗仏教思想。『大乗起信論』などにもとづき,日本では源信(恵心僧都(えしんそうず))に連なる天台宗を中心に発展した。修行努力を必要としない現状肯定を生む一面もあり,口伝えに秘密を伝授する口伝法門(くでんほうもん)の特徴ともなった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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