ボナパルティズム
Bonapartism[英],bonapartisme[フランス] 政治学的概念としては,ナポレオン1世の支配体制をモデルとする軍事独裁体制をさし,マルクス主義の概念としては,ナポレオン3世の国家構造をモデルとする近代ブルジョワ国家の一形態をさす。この国家構造では,ブルジョワジーとプロレタリアートの勢力が拮抗しているため前者が自力で階級支配ができず,代行者として,農民など中間層に基盤を持つ権威主義的な権力が登場する,とされている。その意味ではブルジョワ国家の最終段階とされるのだが,実際はブルジョワジーの上昇期に出現し,人民投票や普通選挙など民主主義要因を含む独裁制という特異な近代の権力形態の一つである。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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