1. 用語
  2. 世界史 -ほ-
  3. 菩薩(ぼさつ)

菩薩(ぼさつ)

bodhisattva 菩提薩_(ぼだいさった),覚有情(かくうじょう)とも漢訳される。サンスクリット語ボーディサットヴァは「悟りの確定した人」「悟りを求める人」を意味する。初期仏教経典においては,悟りをひらく前のゴータマ・ブッダおよび前世の釈尊(しゃくそん)をさし,『ジャータカ(本生経(ほんしょうきょう))』では「修行者」を意味していた。大乗仏教においては,自分自身の悟りのみ求めて自利の修行する声聞(しょうもん)や縁覚(えんがく)に対して,菩薩は悟りのための修行として他者を益する利他の行為を実践するとされ,自分自身の救済に優先して,多くの苦しむ人々の救済者であろうとする「自未度先度他(じみどせんどた)」の菩薩に対する信仰が盛んになった。観音,地蔵,弥勒(みろく)などがこれら利他行の菩薩であり,たんなる求道者としての菩薩と区別して「大菩薩」と呼ばれる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう