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インド帝国(インドていこく)

Indian Empire 1876年,イギリス国王がインド皇帝の称号を併せ持つようになると,植民地インドは皇帝に統治される帝国となった。58年に直接統治下に置かれたとき,インドは他の植民地とは区別され,植民地省ではなくインド省の管轄下に置かれ,専任の閣僚としてインド担当国務大臣を持った。またインド総督は,イギリス国王の代理人という意味で「副王」とも呼ばれるようになった。イギリス帝国のなかで格段に大きな比重を占めることから,インドはイギリス国王を皇帝に戴く帝国という特別の扱いを受けたのである。同時にこの扱いには,ムガル帝国の正統な継承者であるという意味もこめられていた。インド帝国は,直接支配が行われるイギリス領インドと,間接支配が行われる藩王国からなっていた。藩王国の数はおよそ600。その主なものは,ヨーロッパの独立国と同じくらいの規模があった。またインド帝国はアデンを支配下に置き,ペルシア湾岸地域に大きな影響力を保持した。1937年までビルマもインド帝国の一部を構成した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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