インドシナ戦争(インドシナせんそう)
第二次世界大戦後,インドシナ3国(ベトナム,カンボジア,ラオス)の独立を求める勢力と,旧宗主国のフランスとの間に戦われた戦争。インドシナでは,1945年9月のベトナム民主共和国の独立宣言など,大戦終結直後から独立を求める動きが活発化したが,フランスはこれを容認せず,46年12月にはベトナム民主共和国との間で全面的な戦争となり,戦火はインドシナ全域に及んだ。フランスは,旧皇帝のバオダイを擁立してベトナム国を樹立し,民主共和国と対抗した。49年中華人民共和国が生まれると,この戦争は冷戦の東西対立に巻き込まれて長期化。冷戦に緊張緩和の動きが出た54年に,ディエンビエンフーでのフランス軍の敗北もあって,ジュネーヴ協定で停戦が実現しフランスの支配は終結した。この45~54年の戦争を第1次インドシナ戦争とし,ベトナム戦争がカンボジアにも波及した70~75年を第2次インドシナ戦争,78~79年のベトナム,カンボジア,中国の抗争を第3次インドシナ戦争という言い方もある。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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