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インディアン保留地(インディアンほりゅうち)

Indian Reservation アメリカで先住民諸部族の居住地として保留された土地。現在約250の保留地がある。保留地の制度が先住民政策として一般化したのは南北戦争後,大平原地方およびロッキー山脈地方に白人が急速に進出した時期である。アメリカ政府はこれら地方の土地の大半を先住民に放棄させる一方,諸部族の保留地を指定し,彼らを保護下に置いた。政府は1887年のドーズ法により保留地の土地を先住民個人に分与し,農民として自立させ,白人文化に同化させる方針をとったが,これは伝統的部族生活とは異なるものであり,また保留地は概して農業に不適な土地だったから農民としての自立は難しく,先住民の生活は惨めだった。1934年インディアン再組織法により政府はようやく政策を改め,部族による保留地の共同開発を奨励し助成する政策をとった。50年代に保留地を順次廃止する政策が打ち出されたが,まもなく撤回され,60年代以降保留地での部族の自治権限を拡大する政策がとられるようになった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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