イルトゥトゥミシュ
?~1236(在位1211~36) イレトゥミシュともいう。インド,奴隷王朝の第3代スルタン。トルコ系イルバリー族の出身であり,クトゥブッディーン・アイバクの奴隷出身で,やがてアイバクの養子となり,アイバクの死後,第2代スルタン,アーラム・シャーと争ってこれを倒し,スルタンの位についた。外交面では,チンギス・カンの侵攻を巧妙に回避し,ベンガル,シンド,グワーリヤル,マールワなどを征服した。内政面では,行政・軍事・貨幣制度などを整備し,奴隷王朝の権威を確立し,デリー・サルタナット支配の基礎をつくった。以後30年間彼の子孫が次々とスルタン位に擁立されたのもそのためである。彼はアイバクの建造したクーワットゥル・イスラーム・モスクを拡張した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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