イスラエル王国(イスラエルおうこく)
Israel ヘブライ人が古代に樹立した王国。神ヤハウェに仕える宗教連合イスラエルの伝統にもとづき,ペリシテ人との戦いなどの外的要因に促されて,前1020年頃(諸説あり),サウルが初代の王に選ばれた。彼の戦死後ダヴィデが位を継ぎ,都を新たに攻略したイェルサレムに定め,四隣を従えて国力を増大した。その子ソロモンは官僚国家の体制を整え,通商貿易をおこしたが,宮殿,神殿の建築などのため人民に重税,夫役を課した。その子レハブアムの代(前931年?)に北の諸族が彼にそむき,国土はヤロブアム1世を王とするイスラエル王国と,依然レハブアムをいただくユダ王国に分裂した。イスラエル王国はユダ王国より富強であったが異教化の傾向も著しく,預言者の警告も空しく,ヤロブアム2世の全盛期後しだいに衰え,前722年ないし前721年アッシリアに滅ぼされた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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