イクター制(イクターせい)
イスラーム諸国の土地分与・封土制度。(1)荒地,未耕地を分与して耕作させ,そこから納入される地租で国庫収入をふやすもの(世襲),(2)功臣,兵士などに国庫からの現金支払いの代わりに土地の生産物を与えるもの(現職にある期間だけ)があった。9世紀中頃からトルコ人傭兵がふえると,給料として土地を与えることが多くなり,ついにセルジューク朝のニザーム・アルムルクは兵士に忠誠を尽くさせるため世襲的領地の分与を制度化した。これはエジプトのマムルーク朝に採用され,オスマン帝国でティマール制に発展した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう