イエメン
al-Yaman アラビア半島南部の地名。民族的には南アラブに属する。紀元前からサバァ,ハドラマウト,ヒムヤルなどの王国が興亡し,ギリシア,ローマからは「幸福のアラビア」と呼ばれた。7世紀にイスラーム化するが,その後シーア派のザイド派が優勢となる。オスマン帝国の支配などをへて,1960年代にザイド派を中心とするイエメン・アラブ共和国(北イエメン)と共産主義のイエメン人民民主共和国(南イエメン)が成立,90年両国が統合してイエメン共和国となった。首都はサヌア,副首都がアデン。アラビア半島やインド洋との交易が盛んで,コーヒーのモカはイエメンの都市の名前。国民の多くが覚醒効果のあるカートという植物を服用することでも有名。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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